こんにちは、Noraです(^^)/
今日は私の大好きな絵本作家、酒井駒子さんのおすすめの絵本を3冊ご紹介します。
以前ご紹介した酒井さんについての記事はこちらです↓
☆酒井駒子さん 黒を愛らしさに変貌させる絵本作家
ぼくも”ほんもの”になれるかな…?
「ビロードのうさぎ」

「ビロードのうさぎ」
作:マージェリィ・W・ビアンコ
絵・抄訳:酒井駒子
出版社:ブロンズ新社
クリスマスのプレゼントとして、坊やのところにやってきたビロードのうさぎ。
はじめのうちは見向きもされませんでしたが、やがて 少しずつ坊やに大切にされ、愛されるようになります。
「子どもとほんとうの友だちになれたおもちゃは、”ほんもの”になれる」
と知ったうさぎは、ずっと坊やの傍にいて”ほんもの”になりたいと願いますが…。
ビアンコの名作を、酒井さんが挿絵と抄訳(原文の一部を抜き出して翻訳すること)した絵本です。
元からおもちゃ部屋にいたおもちゃたちにバカにされても、
野うさぎたちに「君はうさぎじゃない」と言われても、
坊やにとって、ビロードのうさぎは”ほんもののうさぎ”なのでした。
坊やが病気になった時のうさぎの健気な姿には胸を打たれます。
坊やに愛され、”ほんもの”になれたと喜んでいたのに、大人たちの勝手な判断で残酷な別れを強いられた場面では思わず涙が出てしまいました。
物語は淡々と語られますが、それがかえって心に刺さります。
この絵本には大人になってから出合ったので、読んだ後は「もっとおもちゃを大切にすればよかったな…」と軽い罪悪感が走りました。
これからは、「物を大事にする」ということにも気を配りたいと思います。
あっちにこっちに、おおいそがし!
「こりゃ まてまて」

「こりゃ まてまて」
文:中脇初枝
絵:酒井駒子
出版社:福音館書店
歩けるようになった小さな子。
好奇心旺盛でいろいろなものに興味を示し、「こりゃ まてまて」と追いかけるけど…。
福音館書店から出版されている、「0,1,2えほん」という幼児向けのシリーズ。
小さい子あるあるな場面を描いた絵本です。
酒井さんが描かれる子どもの姿は、まさに「小さい子ってこんな感じだよね」と共感できることが多いと思います。
この絵本の、ぷっくりほっぺの小さい子(男の子か女の子かちょっと悩んだので、あえて小さい子と表現します)がとっても可愛いんです!
「まてまて」と追いかけるけど、「ああ、やっぱりこうなっちゃうよね~!」と愛おしい気持ちになりますし、最後のページはほのぼのします。
小さい子って無表情でも何もしていなくても、どうしてあんなに可愛いんだろう…。
人の業は深い。
「赤い蝋燭と人魚」

「赤い蠟燭と人魚」
文:小川未明
絵:酒井駒子
出版社:偕成社
人間の世界に産み落とされた人魚の娘は、年老いた蝋燭売りの夫婦に引き取られ、優しく大切に育てられていました。
やがて成長した娘は、老夫婦が作る白い蠟燭に赤い絵の具で絵を描き始めます。
その蠟燭のおかげで店は繁盛しますが、欲に駆られた老夫婦は香具師に人魚の娘を売り渡してしまい…。
大正時代の童話作家・小川未明のお話に、酒井さんの重厚感溢れる絵が挿入された絵本です。
大正時代に書かれたお話が現代でも読み継がれているって、本当にすごいですよね。
ちなみに酒井さんは中学生の頃このお話が大好きで、挿絵をつけたいと思い立ち実際にページ割を考えていたそうです。
読み進むにつれ、冒頭の「人間は、この世界の中で一番やさしいものだと聞いている」という文が、なんとも皮肉に感じられます。
明るいお話ではありませんが、「おかげさま」や「欲に駆られること」についてなど、いろいろ考えさせられるお話です。
個人的に酒井さんは黒を愛らしく表現する絵描きさんだと思っているのですが、
このお話では黒の持つ暗いイメージの部分を見事に活かして描かれていると思います。
以上が、酒井駒子さんのおすすめ絵本のご紹介でした。
どの絵本も酒井さんの絵の魅力がたっぷり詰まっているので、気になった方はぜひ手に取ってみてください!
また、下記の記事でも酒井さんのおすすめ絵本をご紹介していますので、合わせてご覧いただけると嬉しいです。
それでは、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。