こんにちは、Noraです(^^)/
今日は私の好きな本をご紹介したいと思います。今回の本はこちら!

「ターシャ・テューダーの言葉3 今がいちばんいい時よ」
作者:ターシャ・テューダー
訳:食野雅子
出版社:KADOKAWA/メディアファクトリー
絵本作家ターシャ・テューダーの言葉シリーズ第3弾です。
この本のテーマは「老いと人生」。
89歳になったターシャさんが、自身の老いや人生について語っています。
年齢を重ねるにつれて、老いたときの自分はどうなっているんだろうと時々考えることがあるのですが、この本は私に、
後ろ向きになりがちな老いに対して「こういう考え方もあるんだよ」ということを教えてくれました。
第1弾の記事はこちら。
☆私の好きな本 「思うとおりに歩めばいいのよ」
第2弾の記事はこちら。
☆私の好きな本 「楽しみは創り出せるものよ」
年を取るのはいけないこと…?
人間、動物、植物問わず生きているものは必ず年を取りますが、昨今は、なんとなく年を取ることに後ろ向きというか、まるでいけないことのように思われているような気がします。
いつまでも若いままでいたい、若い方が素晴らしい!というような空気が漂っているというか。
こんなことを書いている私も、少なからずそう思ってしまっている一人です(笑)。
自然の法則を考えれば、年を取って死ぬのは当たり前のことなのに、なぜかそれを受け入れられないんですよね…。
本当は、もっと精神的に大人になりたいんですが…なかなか上手くいかず。
昔、職場の60代の方から「年を取るっていうのは、若い頃にできていたことが、だんだんできなくなるってことだよ」と聞かされたことがあるんですが、
確かに「今までできていたことができなくなる」というのは想像するだけでも悲しいですよね。
本音を言うと、年は取りたくないです!
体力は落ちるし気力も湧かなくなるし、夢中になれることも少なくなる。
「できるなら20代前半くらいの見た目と体力で止まっていたい!」
というのが正直な気持ちですが、そんなことは2次元のキャラクターでもない限り、絶対に無理なことです。
「人間年を取るのは当たりまえ」と頭ではわかっていても、ずっと先のことのようで、あまり実感が湧かないというのも正直な気持ちです。
私は十数年間祖父母と同居していたんですが、食事や排泄、入浴などだんだん人の手を借りることが増えていくにつれて、2人がなんとなく、やるせない表情をしていた印象があります。
時々祖父に、八つ当たりのように怒鳴られたことがあったのですが、今思うと、自分でできることが減っていってしまった焦りや虚しさもあったんじゃないかなと思います。(あくまで私の想像ですが。)
間近で祖父母が年々弱っていく姿を見てきたので、そういう恐怖感も老いに対して後ろ向きに考えてしまう原因のひとつかもしれません。
「もう年だから…」を転換できるようになりたい
そうは言っても、やっぱり老いることには勝てません。
年は取りたくないけど、自然には逆らえない。だったら、考え方を変えるしかありません。
ターシャさんも
「年齢については現実的にならなければ。
(『今がいちばんいい時よ』より引用)
若い頃に戻りたいと思っても何の役にも立ちません」
と言っています。
ターシャさんは、自身の老いを受け入れながら、できる範囲で1人暮らしを楽しんだり、自分のやりたいことを自分のペースで行っていました。
それは決して、自分を諦めているでも、自分を過信しているでもない、ただ自然にごく当たり前のことのように思って過ごしていたというのが、言葉の節々から感じ取れます。
また、年を取るにつれて「確かに昔より体力は落ちたし、動物の世話や庭のお手入れも、規模を縮小したり人に助けてもらいながらでないと、大変になってきた」ということをおっしゃっていました。
しかし、ターシャさんは発想を変え、「バラの専門家になる!」という新たな計画を立てて、それに向かって勉強を始めます。
90歳を目前としていたのに、この好奇心と向上心。本当にすごい。
もう尊敬の域を通り越してしまいます…。
そんなターシャさんでも、年を取ってすぐに「今がいちばんいい時」と思えるような暮らしをできるようになったわけではありません。
「若い頃は、やりたくないこともやらなければならなかったし、
(『今がいちばんいい時よ』より引用)
疲れることも、やってもやっても終わらないことも多かったわ。」
絵本作家として作品を作りながら、農業や動物の世話、夫と離婚し、ひとりで4人の子どもを育てるなど、
端から見たらどうやってこなしていたんだろうと、疑問に思わずにはいられない日々を乗り越えてきたから、
同時に、他人からどう思われようと、長年やり続けてきたことの延長線上にあるのが、「今がいちばんいい時」なのではないかというのが、私の解釈です。
失敗あってこその人生でも、いいかもしれない
90歳を間近にしても、好奇心や学びたいという気持ちを捨てることなく生きたターシャさん。
そんな彼女ももちろん、たくさんの失敗を経験してきたといいます。
人間は誰でも過ちを犯すものですし、欲を言えば過去に戻って人生をやり直したり、失敗のない日々を送りたいと思う人も多いと思います。
私自身もそうでした。
学生の頃から、「今の知識を持ったまま生まれたときに戻って、歩んできた人生全部をやり直したい。そうすれば今よりはマシな人間になってる!…はず」と、よく言っていました。
特に何かに躓いたり、思うようにいかないことが多い時によくそう思っていました。
しかし、ターシャさんのこの言葉を読んだときにハッとしたのです。
「残念ながら、人生を後戻りしてやり直すことは誰にもできません。
(『今がいちばんいい時よ』より引用)
私も間違いや失敗をたくさん経験しましたが、やり直したいとは思いません。
もし、やり直せたとしても、
その人生が今より良くなる保証はどこにもないのですもの」
…そうだ。
今より良くなる前提で人生をやり直したいと思っていたけど、仮に人生をやり直せたとして、それで本当に私の人生は良くなるなんて言いきれるんだろうか。
誰がそんなことを保証してくれるんだ?
そういう思いがぐるぐる駆け巡り、以来、以前ほど「人生をやり直したい!」と思うことは減りました。
もちろん、
「あの時、この道を選んでいたらどうなっていたかな」とか
「あのグループの人達と仲良くなってみたかったな」とか
「あの人ともっとお話してみたかったな」と思うことはありますが、
それでも、今はそこまであの頃に戻りたいと思うことは少なくなりました。
今まで歩いてきた道を無駄にしないためにも、やり直したいと思うより、これから先のことを楽しもうとする方が、きっといい人生を歩んでいけると信じています。
「年を取っても、できることはたくさんあります。
(『今がいちばんいい時よ』より引用)
新しいことも発見できるはずよ。
無理をしないで、今の自分にできることを楽しんではどうかしら?」
ターシャさんは、老いに対して悲観的にならず、でも自分を過信せず、あくまでも前向きに生きた人だと思います。
昨今は認知症や介護問題、高齢者ドライバーの問題、高齢者の犯罪の増加など、長生きに対して暗い話題ばかりですが、
ターシャさんのように老いを受けいれながら、自分のできる範囲で楽しむという長生きなら幸せかもしれないですね。
ただ、ターシャさんと同じような苦労をしたからと言って、ターシャさんのような老後を過ごせるわけではありませんし、
またこの本を読んだからといって、「だからもう大丈夫!」という絶対的な安心感のようなものもありません。
まだまだ老いることに、得体のしれない怖さを感じることもあります。
それでも、「老いに対して、こんな前向きな考え方もあるんだ」ということを発見できたのは大きいですし、
いつか自分が年老いた時に、若い人に「生きているって、すばらしいよ」と言えるような人生を歩んでいきたい、「老い」に対して、もっと自分なりに前向きに捉えることができればいいなと思っています。
またターシャさんの言葉シリーズ第1弾、第2弾の記事もありますので、こちらもぜひ合わせてご覧ください。
第1弾の記事はこちら。
☆私の好きな本 「思うとおりに歩めばいいのよ」
第2弾の記事はこちら。
☆私の好きな本 「楽しみは創り出せるものよ」
それでは、最後まで読んで下さり、ありがとうございました。