こんにちは、Noraです(^^)/
今日は私の好きな絵本作家さんについて語っていこうと思います。
今回は「酒井駒子」さんです。
絵本よるくまシリーズや、ちいさいモモちゃんの新バージョンで挿絵を担当されています。
酒井さんの絵は、なんといっても子どもの形がとっても可愛い!
漫画っぽい絵ではなく程よいリアルな感じの絵柄で、可愛らしさ、不思議さ、ちょっとした寂しさを合わせ持った、どこかキュンとくる魅力に溢れた絵を描かれる方です。
(※あくまで、私が酒井さんの絵を見て抱いた印象です。)
偶然手に取った本にひとめぼれ♥
私が酒井駒子さんの絵に出合ったのは油彩画を学んでいた大学生の頃。
図書館で、美術系の棚を何気なく見ていた時に、こちらの本を手に取ったのがきっかけでした。
「みづゑのレシピ 『絵本のつくりかた1』」
出版社:美術出版社
この本の表紙の酒井さんの絵に、ひとめぼれしてしまったのです。
ちょうどこの頃は、いわさきちひろさんの絵本や画集を眺めたり、母からおおた慶文さんの画集を譲り受けたりもしていたので、学校の課題でも趣味で描く絵も、ほとんど子どもをモチーフにして描いていました。
酒井駒子さん、いわさきちひろさん、おおた慶文さん。
この3人の方は主に子どもをモチーフに絵を描いていらっしゃいますが、それぞれ違った描き方で表現されていて、よく模写したり構図や色の配置など、いろいろな部分を参考にしていました。
恋をして、追っかけになった日々
酒井さんの絵にひとめぼれしてから、私は次々に酒井さんの絵本や雑誌、挿絵本を買い漁りました。

「illustration 別冊 絵本 作家73人の話」
玄光社MOOK
本屋さんをうろうろしていた時に、偶然見つけたこちらの本。

「Pooka⁺ 酒井駒子 小さな世界」
出版社:Gakken
画材屋さんの本コーナーで見つけたこちらの本。
この2冊は、何度読んだかわかりません。
特に「illustration 別冊~」には、酒井さんが使っている画材や創作秘話、子ども時代から現在に至るまでの分岐点、好きな映画、音楽など、盛りだくさんの内容で、何度も読み返していくうちに、もっと酒井さんの作品に触れたくなりました。
「Pooka⁺~」には、酒井さんが手がけた絵はもちろんのこと、書き下ろしのおはなしも入っていて、酒井さんの不思議な世界観に浸ることができます。
とにかく当時は(今もですが)、「酒井駒子」という文字を見つけたらすぐに本を手に取って、パラパラ眺めて即レジへ行くという流れで購入し、家に帰って酒井さんのページを何十回と読み込んでいました。
今では、表紙が破れたり手垢がついて汚れたり色褪せてしまいましたが、それだけ読み込んできた証でもあると自負しています。
ただ壁に飾ったり箱に保管しておくことだけが大切にすることじゃないと個人的には思います。
本の出合いが、画材の出合いを運んできた
アクリル絵の具という画材があるのを知って興味が湧き、実際に使うようになったのも酒井さんの影響でした。
アクリル絵の具は、油彩画のようにも水彩画のようにも描ける魔法の絵の具です。
絵の具の乾きも早く、しかも乾くと耐水性になります。
通常油絵具は、完全に乾くまで少なくとも2日以上は待たなければならない、時間をかけて制作するための画材です。
大学生当時、油絵具のゆっくりと乾く性質に慣れず、もう少し早く乾かないかな…と思っていた矢先に、アクリル絵具に出合い実際に使ってみましたが、塗って数分経つと「もう乾いてる!?」というのが率直な感想でした。
一時期はアクリル絵具にハマり、教授の目の届かないところでたくさん描いたり、画材屋さんに行って、色見本が入ったカタログをもらってきてはよく眺めていました。いい思い出です。
どんな画材にも言えますが、油絵具には油絵具の、アクリル絵具にはアクリル絵具のいいところがあり、結果的にはどちらの画材にも触れてきてよかったと思っています。
今は油絵具もアクリル絵具もちょっとお休み中ですが、そのうちまたそれぞれを使って絵を描きたいなと思っています。
真っ黒は「怖い」だけじゃなかった
私は子どもの頃から、真っ黒が正直苦手でした。
なんというか、単純に怖い?というか…。ぞわっとする。
子どもの頃って、大抵の人は暗闇が怖いですよね。あんな感じです。
酒井さんは、絵を描く前に下地として黒を塗ってから描いているのですが、真っ黒を使っているのに怖いということを感じさせないのが、すごいと思います。
寂しげな雰囲気なのにどこかあたたかくて、愛おしくなるような、そんな絵です。
もちろん、人によっては酒井さんの絵をちょっと怖いと感じる方もいるかと思いますが、少なくとも私は怖いというより、寂しげで切ない感じがして好きです。
酒井駒子さんのおすすめ絵本3選!
ではここで、酒井駒子さんの絵本で、わたしが好きなものをご紹介します。
よるくま

「よるくま」
作:酒井駒子
出版社:白泉社
夜寝る前のこと。男の子がお母さんに、
「よるみたいに、まっくろなくまがやってきたんだよ!」
と、話し始めました。
よるくまはどうして、男の子のところへやってきたのでしょう…?
酒井さんの初期の頃の絵本です。
よるくまの形といいますか、ちいさくて丸っこいフォルムがすごくかわいい!
ファンタジックだけど心温まるお話で、最後は「ああ、よかったね」という気持ちになります。
特に男の子がよるくまを抱きしめているシーンが好き。
酒井さんは、今では絵の下地に黒を使っていますが、初期の頃は白を下地にして描いていたようで、この絵本もそのひとつ。
白は白で、また酒井さんの絵の違う魅力が出ていて好きです。
ちなみによるくまには、姉妹本的な感じでこちらの絵本もあります。

「よるくま クリスマスのまえのよる」
作者:酒井駒子
出版社:白泉社
タイトルでもおわかりのように、クリスマスを題材にしたお話です。
こちらも温かくて、愛おしさあふれるお話。
表紙のよるくまが可愛いくてたまりません!
金曜日の砂糖ちゃん

「金曜日の砂糖ちゃん」
作者:酒井駒子
出版社:偕成社
酒井さんの不思議さ溢れる小さな世界が、
「金曜日の砂糖ちゃん」
「草のオルガン」
「夜と夜のあいだに」
の3編のショートストーリーとして収録されています。
こちらは酒井さんご自身もお気に入りという絵本。
個人的には最後のお話が好きです。
どちらかというと大人向けの印象ですが、どのお話も想像力を働かせて自分なりのイメージや結末をふくらます楽しさがあります。
ロンパーちゃんとふうせん
「ロンパーちゃんとふうせん」
作者:酒井駒子
出版社:白泉社
ピンク色の表紙に黄色い風船を持ったちいさな女の子、ロンパーちゃん。
町でふうせんをもらったロンパーちゃんは、飛んでいかないように指に括りつけてもらいました。
家に帰ってからふうせんと一緒に遊びますが、突然吹いた風にふうせんを飛ばされてしまい、悲しくて泣いてしまったロンパーちゃんは…。
こちらは、ロンパーちゃんのなんとも言えない愛らしい姿が満載の絵本です。
記憶にはなくても、小さい頃はほとんどの人が、身近にあるいろいろなものに話しかけたり、友達に見立てて一緒に遊んだりということをしたのではないかと思います。
「小さい子って、こういうところあるよね」という共感とともに、お母さんの見守り方が優しくて、それがさらに温かい気持ちにさせてくれます。
そして幻想的な結末が素敵です。
酒井さんの絵本や挿絵を担当した本は、まだたくさんあります。
図書館や本屋さんで見かけた際は、ぜひ手に取ってみてください。
それでは、最後まで読んで下さり、ありがとうございました。